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こんにちは。教育コンサルタントの西條美穂です。
夏休みなどの長いお休みの後、子どもたちに楽しかったことを教えてもらうと、きょうだいのいる子どもたちが、嬉しそうな顔をして話してくれるお話の中に、
「ママと二人だったこと」
というのがあります。
特に、妹や弟ができた子どもたちの多くは、いつも「お兄ちゃんなんだから」、「お姉ちゃんなんだから」、と言われたり、そう言われなくても色んなこと我慢して生活していますよね。
1人目の子どもにとって、下の子が生まれるというのは大事件です。自分だけのものだったママがそうではなくなり、その上自分より手をかける相手が出現するのですから。
スクールでも、そういう子どもたちの中には、急に何も話さなくなったり、何も食べなくなったり、チックやおもらしが始まるケースがあります。私たちは、なるべくたくさんスキンシップして愛情を表現しようとします。
我慢していると気付かないまま過ごしている子どもたちもいるのですが、そんな日々の中だからこそ、たまに訪れる「ママと二人だけの時間」が楽しくて嬉しくて仕方ないみたいですね。弟や妹と比べられることも、我慢させられることもなく、たっぷりママに甘えられるし、話も下の子に遮られることなく最後まで聞いてもらえます。
ママと2人だけの時間のことをキラキラの瞳と緩みっぱなしの口元で教えてくれる子どもたちをみると、やはりママたちにシェアさせていただきたくなります。ママにたっぷり甘える時間を持つことによって、上記の「おもらし」や「チック」がなおったケースもあります。
そして、この「ママと2人だけの時間」を欲するのは、小さな子どもたちだけではありません。中高生にさえあてはまります。
以前、ある中学生の息子さんを持つお母さまから連絡をいただいたんです。「今日、初めて息子に死ねって言われました。思春期ってこういうことでしょうか。ショックです…」と。
もちろん「死ね」なんて誰に対しても決して投げつけてはいけない言葉ですが、言ってる方も何か事情があるし言いながら自分を傷つけている言葉です。何か変だなあと思って、時間差でさりげなくその子に話をききました。
「ねえ、お父さんやお母さんとケンカしたりする?」
「うちはしませんよ。」
「そうなんだ。思春期ってさ、なんかむかむかして暴言吐きたくなったりしない?」
すると、
「弟のことを叱った後の流れで八つ当たりされたときだけすごく腹が立つので怒り狂って言ってはいけないこと言ってしまいます。」と。
これを話してくれた時のその子の顔がとても寂しそうでした。
そこで、あー!っと思いました。そういえば、よく弟は手がかかる、とか、弟にかかりきりだとか不満そうに話してくれていたなあと思い出したのです。彼はいつも手のかかる弟だけでなく、自分とも向き合って欲しいと思っていたのでしょう。
それを彼のお母さまにシェアさせていただき、その次の週にママとゆっくりする機会があったその学生。私にとても楽しそうにそのことを話してくれました。
中学生や高校生になって、親はもう大丈夫だなと思っても、やはりママを独り占めしたい気持ちはあるんですよね。小さい子どもたちから大人に近づいている子どもたちまで、きょうだいと離れてママとの自分だけの時間は本当にスペシャルタイムなんです。
これは、下の子どもにとっても同じだと思います。たまには、お兄ちゃん、お姉ちゃんがいないところでママとゆっくりできたら嬉しくて仕方なくなるでしょうね。
ママたち、本当に多忙だと思うのですが、是非チャンスがあったらお子さんと二人っきりの時間をもってみてください!子どもは皆同じように可愛くても、きょうだいがいるとなかなか伝わらないことも多いと思います。ママと2人だけの時間を過ごすことで、子どもの心はたっぷり充電されますし、ママたちにとっても、思いがけない我が子の良さを発見できる機会になると思います!