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皆さん、こんにちは。教育コンサルタントの西條美穂です。
いよいよ入学式(入園式)、始業式シーズンがやってきましたね!
新しい環境に子どもが期待と不安でいっぱいで臨むこの時期は、実は、苦手を克服するチャンスの時期でもあるのです。
ちょっと考えてみましょう。
そもそも「苦手意識」って何をきっかけに持つようになるんでしょう。
テストの点数でしょうか?好きか嫌いかという気持ち?誰かとの比較?親や先生に言われた言葉でしょうか?
実は、子どもが小さければ小さいほど、
『苦手意識は親の言葉や振る舞いから生じる』
ことが多いです。
「××があまり上手じゃないね」とか
「××をもっと上手にできるように頑張ろうね」というような声掛け、または子どものパフォーマンスのあとに見せる表情などから、子どもたちは、「自分は××が苦手なんだ。。」と思い始めます。
「○○は上手だけど××はこれからね。」のように枕詞に良い言葉を言ったとしても、『××ができない』ということはちゃんと脳に焼付くのです。
そして、この子どもたちの「苦手意識」は、苦手なことをさらに苦手に、本当は苦手ではないことやまだどちらでもないことを本当に苦手にさせてしまうのです。
精神的に感じていることがパフォーマンスに与える影響は科学的にも証明されています。得意だと思ってやることと、苦手だと思ってやることでは、まったくパフォーマンスが変わってくるのです。
私の周りにいる子どもたちも、何かを苦手だと思い込んでいるケースが多く、その原因は親であることが多いです。
以前、5歳の女の子が、
「私はね、字を書くのはすごく上手なのに、絵がすごく下手なの」と私に言って来ました。
「どうしてそう思うの?」ときくと
「ママが教えてくれた」と。
その日からその女の子は、楽しそうにどんどん字を書き、さらに上手になっていきました。が、絵は嫌がって描かなくなっていきました。
どうしても描かなくてはいけない場面では、絵が上手と言われているこの隣に座って必死に真似をして描いていました。
以前はあんなに伸び伸びとダイナミックに素敵な絵を描いていたのに、と私は残念な気持ちになったので、その子のお母さまと話し合いをさせてもらいました。
お母さまは、そこまでその言葉が影響を与えている事には気づいていらっしゃらなかったようですが、その後、昔の絵をひっぱり出して、
「よく考えたら、人と違った面白い絵を描くってすごい才能よね。これは良く見たらすごく良い絵ね!」と褒めてくれたそうです。その子がすぐに私に教えてくれました。その日からまたその女の子は絵を描き始め、小学校に上がると賞もとるようになりました。
親の言葉によって、あることが得意になったり苦手になったりということは、本当に多いのです
大好きで一番信頼している親に上手とか得意だと言われるとそんな気がして好きになって頑張れるからです。そしてその結果どんどん上手になるのです。
私自身も幼い頃、洗濯ものをたたむ度にいつも、「上手ね」とか「美穂のたたんだ洗濯物は綺麗だわ」と言われていたので、どんどん洗濯物をたたむのが好きになり、クリーニング屋さんのように綺麗にたたむことができるようになりました。今でも家事の中で一番好きなのは洗濯物をたたむことです。(どうやら母は家事の中で洗濯物をたたむのが一番好きではなかったらしいです(笑)。)
このように、親の言葉が魔法のようにこどものパフォーマンスを変えるのです。
そして、環境が変わるこの時期は、子どもの意識もさらに変わりやすいです。
たくさんの言葉の魔法で子どもたちの力を引き出してあげたいですね!