親子関係

羽生選手の件で思う本人に悔いない決断をさせ、それを尊重する難しさ

11月 28, 2014
決断

 photo credit: Geoff LMV via photopin cc

 今回、羽生選手がケガをしてもフリーを滑りきり銀メダルを取ったことに関して、意味合いは全然違うけれど思い出したことがあります。

 自分が15歳で初めてアメリカに行った時のこと。

 外務省の青少年派遣事業に選んでいただいて、家族で初めて私が一人で日本の外に出ました。日本全国から選ばれた小中学校と一緒に過ごす二週間の旅。

 なのに…

 私は、渡米3日目に盲腸になってしまって、初めての入院と手術をアメリカで経験することになってしまったのです。

 家族は相当心配したと思います。

 私も、何が何だかわからず、お腹が痛くて手術になって、もう死ぬんだなあと思っていました。でも、死ぬ前にここに来られて良かったなあって。

 手術が終わったら大事をとってみんなより先に緊急帰国という段取りをしてもらっていました。また腸が癒着するかもしれないし、そうなったらもう保険はきかないので。

 でも、手術が終わって退院して落ち着いたら、傷跡にホチキスはしてても、すごく元気になって、どうしても仲間たちに合流したくなりました。このまま日本に帰ったら、経済的にももう二度とアメリカに来られないのでは?私、もっとここに居たい!って強く思いました。少し前まではあんなに不安で早く帰国したかったのに。

 そして、両親に相談してみました。

 どうしても残りたい、と。

 私が親だったら、また絶対行けるから今回は大事をとって帰ってきなさい、って言ったと思います。心配で心配で仕方ないし、何かあったらと考えると胸が張り裂けそう。

 だけど、私の両親は、なんと、オッケーをくれたのです。

 これがどんなに難しいことだったか、あの時でも少しわかったけれど、今ならもっとわかります。医者の見解からも多分大丈夫とは思ってもそう言えないし、しかも、親からしてみたら、本当に大丈夫と医師が言ったとしても万一のことを考えるものです。

 それなのに、私の決めたことを尊重してくれました。その時に、私の中で自分が何か大きな大人のステップを踏み、そして自分の人生を自分の責任で歩み始めた意識が芽生えました。私の人生の転機と言っても過言ではないとおもいます。もちろん、何もなかったから良かったのかもしれないけど、私は例え何かがあっても両親に感謝していたと思います。

 羽生選手のことは、起こったことも症状も、責任も立場も全く違うし、お互い結果オーライなだけと言われればそれまでだけど、本人に悔いない決断をさせてそれを尊重する難しさ、素晴らしさを改めて思い出しました。もちろんそれはいろんな意味ですごく難しいし、正しいかときかれれば正直わからないけど、とにかく、そんなことを今回の件でふと思い出しました。

 そして、そのことがあって、「偶然」の力にも味方してもらって、今日の自分がいることに心から感謝しています。

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